最近この種の搭載エンジンのトラブルが全国的に多くあるようで当整備工場にも現車で4台目です。故障依頼内容は下記の症状とまったく同じ現象です。
整備依頼事項
・アイドリング時時々不安定になりエンジン停止
・特にエンジン冷間時に信号待ち時現象発生
診断結果
・走行距離 93,174Km
・GA15電子制御エンジン フォトエアフローメータータイプ
・車をお預かりして実際の走行状態でエンジン冷間時/暖気中/暖気後走行検査
極力信号待ちのたくさんある交通量の多いコースを選び走行テストを行う。
・走行テスト約20Kmでトラブルと思われる現象が1回発生。すぐエンジン再始動OK
以後発生無し。
・工場に入庫後、メーカー整備書の技術基準により現車のコンピュータ自己診断(ダイアグノーシス)
を行う。エアフローメーター・インジエクターノズル部に水滴等の混入・水温センサー・その他の誤差
信号及び誤作動と診断するが数秒で復帰するようで、現車ダイアグノーシス(自己診断メモリー)
に入力していない。 自己診断コードは、正常値の55番の繰り返し信号。
・テストモード2に切替しO2センサ信号検査でチェックワーニングランプ正常コードにて点滅。
その他の故障ダイアグノーシス信号無し。
整備前検査機器による検査
・前回定期点検整備時には走行距離による定期交換部品の定期交換をしているが
時々トラブル発生の依頼があったので再診断
・EFI整備は、整備開始前にエンジンの定期交換部品の点検交換及び機械的な基本整備終了後
走行検査し異常があればEFIの診断に入るものとあるが、この項目は前回定期点検で終了済み。
・排気ガス濃度検査機器にて一定時間測定。冷間時排気ガス濃度が少し不安定。
(CO NOX排気ガス濃度)O2センサー正常の為、疑われるのは水温センサー・エアフローメータ・
インジェクターの少量の水(H2O)の混入が考えられる。
・燃圧関係は、不良であれば始動が大変悪くなるが正常に始動する??
整備
・この種のGA15型電子制御エンジン搭載車の故障は大変全国的に多く、当整備工場にも現車で同じような
故障入庫車は4台目です。(走行距離7.5万〜10万キロ走行でトラブルあり)
・電子制御関係の部品は大変値段が高価で細かな部品等は、封印/ポッティング等で固めてあるため
部分的な部品交換はできず、不良であればアッセンブリー交換になります。
・今回、幸い走行距離2.8万キロのニッサン車サニー系の年式の比較的新しい同型エンジン搭載車の部品が
入手できましたので、高価なエアフローメータのみリサイクルパーツを使用し、他の部品は新品を使用しました
(参考 新品定価 \51,900)
・交換部品はエアフローメータ/燃料ろ過器/水温センサー/EFI専用洗浄剤 洗剤 その他
整備後の自己診断結果
・チエックワーニングランプによる自己診断結果・・・・・正常コード表示
整備後の走行検査結果
・約50KM以信号待ちの大変多いコース走行(冷間時/暖気中/暖気後)
トラブル・エンスト・点火ミス振動・アクチュエーター信号誤作動等無し。
・正常に走行。
追伸
・EFI搭載エンジンには水抜き剤は禁物です。混入すると、冬場の冷間時にエンジン始動すると
インジェクター先端の針弁とシートに少量の水が噛み、凍り付きます。そのまま長く放置すると動きが
固くなり。インジェクターノズルの作動不良や故障等のトラブルの原因になります。
・燃料はレギュラーガソリンを御使用下さい。ハイオクタン・ガイアックス燃料の使用はエンジントラブル
及び触媒ペレットの詰まりの原因になります。
・数週間に1回及び2回等の微妙なトラブルや、すぐ復帰するような故障は、記録データー検査機器を
搭載しての数週間の故障診断になります。平成13年前後の新車は全メーカーが新機構に変更し、
検査機器ソフトの交換で全メーカー共通仕様出来るようになったようですね。
下記写真は今回整備した交換部品です。
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